2025.11.26
【ビジネスで読み解く『もののけ姫』】組織判断・リーダー力・育成術から学ぶ“強いチームの作り方”
古代ファンタジーの世界を描いた『もののけ姫』。
しかし、その根底にあるのは「組織判断」「リーダーシップ」「人材育成」など、ビジネスにそのまま持ち込める洞察です。
村を守るヒイ様、仲間を守り抜くモロ、誰も救われない社会に居場所を作るエボシ――。
彼らの行動は、現代のマネジメントに通じる“原理原則”を静かに語っています。
アニメを通して、今日から職場で使えるビジネス戦略を一緒に読み解いていきましょう。
掟か、情か──ヒイ様に学ぶ「組織判断とコンプライアンス」

作中エピソード:掟に従いアシタカを追放したヒイ様
アシタカは村を守るためタタリ神を討ち取るものの、右手にタタリを受けてしまいます。
ヒイ様は悲しみながらも「村の掟」に従い、アシタカを追放する決断を下します。
それは冷酷な処置ではなく、「役割と規範を守る組織の長」としての苦渋の決断でした。
ビジネス理論:組織判断 × コンプライアンスの両立
ヒイ様の判断は「情」よりも「規範」を優先した組織判断です。
- コンプライアンス(規範・ルール遵守)
- リーダーの意思決定における公平性
- 組織全体の安全を優先する視点
リーダーは常に“個人の事情”と“組織のルール”の間で揺れます。
ヒイ様はその葛藤を抱えつつも、村全体の利益を守る選択を取ったのです。
ビジネス現場での具体例
- 部下のミスが重大な規定違反につながった
- 事情を知っているからこそ庇いたい
- しかし、組織ルールを破れば前例となりチームが崩壊する可能性もある
こうした場面は、どの職場にもありますよね。
今日から使えるビジネスライフハック
- 「感情」と「規範」を切り分けて考える
- ルールに従う理由をメンバーに丁寧に説明する
- 苦しい決断ほど、背景や配慮を明示する
- “非情ではなく公平”という姿勢を示す
ヒイ様がアシタカに敬意をもって送り出したように、厳しい判断でも“人の尊厳”を守ることが信頼につながります。
守る意志は人を動かす──モロが示す“献身型リーダーシップ”

作中エピソード:サンと山犬を守るために戦い続けるモロ
モロはタタラ場やエボシとの争いで傷を負いながらも、最後の最後までサンと山犬たちを守り抜きます。
自分が倒れてもなお、首だけでエボシに噛みつき“仲間を守る意志”を示しました。
ビジネス理論:サーバントリーダーシップ(献身型リーダー)
モロの行動は典型的な サーバントリーダーシップ。
- 自らのメリットより仲間の成長と安全を優先
- 背中でチームに理念を示す
- 危機において先頭に立つ態度が信頼を生む
部下にとって「守ってくれる上司」は強い精神的支えになります。
ビジネス現場での具体例
- トラブルが起きたとき、上司が責任を取って前に立つ
- 部下が成果を出したら自分ではなく部下を前に出す
- 怒られ役や調整役を買って出る
こうした姿勢が、チーム全体の結束を高めます。
今日から使えるビジネスライフハック
- 部下の“安全基地”になる(心理的安全性の創出)
- どんな時も味方だと伝える行動をとる
- 言葉より「背中」で姿勢を示す
- 困難なタスクほど自ら先頭に立つ
モロのような献身型リーダーは、職場を“信頼で動く組織”へ変えていきます。
エボシの改革力──多様性人材を活かす「インクルーシブマネジメント」

作中エピソード:弱い立場の人にも仕事と居場所を与えるエボシ
エボシは、他の村で虐げられてきた女性や、社会から隔離される病人を受け入れ、仕事を与え、武器を扱う知識を伝え、自立させました。
さらに自ら戦場の最前線に立つリーダーでもあります。
ビジネス理論:インクルージョン(包摂)と多様性活用
エボシの強みは “人材の再発掘”と“包摂型の組織作り” にあります。
- 社会で評価されなかった人材に新しい役割を与える
- 能力ではなく“可能性”を見る
- 自分の仕事が社会を変えるという「意義感」を共有する
これは現代の インクルーシブマネジメント そのものです。
ビジネス現場での具体例
- 中途社員や未経験者を戦力化する
- 障害の有無、年齢、経歴に関わらず活躍できる組織作り
- 新しい視点を持つメンバーの挑戦を歓迎する
多様性を活かす力が、企業の新しい価値を生み出します。
今日から使えるビジネスライフハック
- 「強み」ではなく「潜在価値」を見る
- 成果よりも“成長プロセス”に注目する
- 声が小さい人の意見を拾い上げる
- 初心者にも挑戦のチャンスを与える
エボシのタタラ場のように、多様な人が誇りをもって働ける環境は、生産性の最大化につながります。
まとめ:『もののけ姫』は“本質的なマネジメント”の宝庫
ヒイ様の組織判断、モロの献身的リーダーシップ、エボシのインクルーシブな人材活用。
『もののけ姫』には、現代ビジネスの課題にそのまま使える“原理原則”が驚くほど詰まっています。
組織を動かすのは、才能ではありません。人を理解し、尊重し、活かす姿勢そのものです。
誰かの悩みを受け止めることも、ルールを守り公平な判断をすることも、誰かにチャンスを与えることも、すべてが“未来を変える小さな一歩”です。
その一歩を踏み出す人こそ、現代のアシタカであり、エボシであり、モロなのかもしれません。
もののけ姫
©1997 Hayao Miyazaki/Studio Ghibli, ND
『もののけ姫』は、アシタカ・サン・エボシ御前・シシ神・ジコ坊たちの思惑と葛藤が激しくぶつかり合う物語です。タタリ神に呪われたアシタカが「生きろ」と願いながらも揺れる心、森を守ろうとしながら人間を許せないサンの痛み、そして自然を切り開き生きる希望を与えるエボシの信念…。それぞれの“正義”が交錯する瞬間、シシ神の首を巡る争いは想像を超える惨劇へと傾きます。森が枯れゆく中でアシタカは何を選ぶのか? サンの心はどこへ向かうのか? 一つ一つの心理描写が胸を締めつける、圧倒的な魅力に満ちた作品です。
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この記事での使用素材は以下に帰属します
©1997 Hayao Miyazaki/Studio Ghibli, ND